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浮気調査費用は相手に請求できる?認められる条件・金額の目安・手続きの流れを解説

浮気調査費用は相手に請求できる?認められる条件・金額の目安・手続きの流れを解説

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本記事の監修者
黒岩弘敦
  • 氏名:黒岩 弘敦
  • 経歴:元警察本部 刑事部在籍
  • 紹介文:元神奈川県警警察本部刑事部管理課に従事。その経験を活かし職員のコンプライアンスの向上、個人情報の秘匿に対する秘匿の堅持、法令に抵触しない技法等の社内教育を実施。
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「裏切ったのは向こうなのに、どうして自分がこの調査費用を負担しなければならないのだろう」。

探偵への依頼を考えながら見積もりを眺めているとき、あるいはすでに数十万円の請求書を手にしたとき、ふとそんな理不尽さがこみ上げてきて、夜遅くに「浮気調査費用 相手に請求」と検索された方も多いのではないでしょうか。慰謝料のことを調べる流れで、「この費用も、せめて一部でも取り戻せないのか」と思うのは、ごく自然なお気持ちです。

ただ、いざ調べてみると、「請求できます」と書いているサイトもあれば、「原則として認められません」と書いているサイトもあり、どちらが本当なのか分からず戸惑った方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、浮気調査費用を相手に請求できるのかという問いに対して、「認められる場合」と「認められにくい場合」の両方を、実際の裁判例や最近の動向もまじえて正直にお伝えします。あわせて、認められる金額の現実的な目安、誰に何を根拠に請求するのか、そして請求に向けた一般的な手続きの流れまでを整理しました。「自分のケースなら現実的に取り戻せそうか」「次に誰へ相談すればよいか」を判断する材料を持ち帰っていただくことを目指しています。

なお、本記事は一般的な情報をまとめたものであり、個別のケースで請求が認められるかどうかは、証拠の内容や事情によって変わり、最終的には裁判所や弁護士の判断によります。ご自身のケースの見通しは、弁護士にご確認ください。

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浮気調査費用は相手に請求できる?【まず結論】

先に結論からお伝えします。浮気調査費用は、調査の必要性や費用額の相当性が認められる場合に、その一部が損害として相手に請求できる可能性があります。ただし、どんな場合でも必ず認められるわけではなく、認められないケースもあります。

「請求できる」と書くサイトと「原則できない」と書くサイトに分かれているのは、まさにこの「ケースによって結論が変わる」という性質が背景にあります。請求できた裁判例も、認められなかった裁判例も、どちらも実際に存在するのです。

つまり、最初に知っておいていただきたいのは次の2点です。

  • 浮気調査費用は「必ず請求できる」ものではなく、「条件を満たせば一部が認められることがある」ものである
  • 認められるかどうかの分かれ目は、主に「探偵に依頼する必要が本当にあったか(調査の必要性)」にある

この時点で、「全額が当然に戻ってくる」と期待しすぎるのは禁物だとお分かりいただけたかと思います。一方で、「どうせ無理」と最初から諦める必要もありません。次の章から、何が結論を分けるのか、自分のケースはどちらに近いのかを、順番に確認していきましょう。

請求が認められるかの分かれ目|「調査の必要性」とは

請求できるかどうかの最大のポイントは、「探偵に依頼しなければ、不貞行為を立証できなかったといえるかどうか」にあります。これを「調査の必要性」と呼びます。請求が認められるためには、探偵に依頼する必要が本当にあったといえることが重要だとされています。

なぜなら、調査費用を相手に負担させるには、その費用が「不貞行為によって生じた損害」として説明できる必要があるからです。自分で簡単に証拠を集められたのに、あえて高額な調査を依頼した、と見られてしまうと、「その費用は本当に必要だったのか」と問われてしまいます。

一般に、調査の必要性が認められやすいとされるのは、次のような状況です。

  • 相手(配偶者)が不貞を否定している:問いただしても認めないため、証拠を掴むには調査が必要だった
  • 自力での証拠取得が難しい:育児や仕事、単身赴任などで、自分で尾行・確認をするのが現実的に困難だった
  • 不貞行為の有無そのものが裁判の争点になっている:立証のために調査報告書が必要だった

逆にいえば、こうした事情がなく「自分でも証拠を取れたのではないか」と見られる状況では、必要性が認められにくくなります。

ここで一点、注意していただきたいことがあります。「費用を取り戻したいから、自分でもっと証拠を集めよう」と考えて、パートナーのスマートフォンを無断で覗いたり、GPS機器を勝手に取り付けたりする行為は、状況によっては違法となるおそれがあります。取得方法に問題がある証拠は、裁判で評価されなかったり、かえって自分が不利な立場になったりすることもあります。気になる点は自己判断で踏み込みすぎず、何が安全で何が危ういのかを、専門家への相談時に確認することをおすすめします。

認められやすいケース・認められにくいケース(最新判例も)

認められやすいケース・認められにくいケースの比較表

それでは、実際の裁判ではどう判断されてきたのでしょうか。自分のケースがどちらに近いかをイメージしていただくために、認められた例・認められにくい例を、最近の動向もあわせて見ていきます。

認められた裁判例

  • 東京地裁 平成23年12月28日判決:配偶者が不貞を否定していた状況で、探偵調査によって不貞の証拠が明らかになったケースです。調査費用157万円のうち、100万円が損害として認められたとされています。立証への寄与が大きかった点が考慮されたとみられます。
  • 東京地裁 平成28年2月16日判決:配偶者を問いただしたものの不貞を認めなかったため、証拠を掴むには調査を依頼するしかなかったと認められ、慰謝料とは別に調査費用(37万円程度)の全額が認められたとされています。

認められにくいケース

一方で、相手がすでに不貞を認めているのに、あらためて問いただすことなく調査を依頼した場合などは、「立証のために調査が必要だったとはいえない」として、費用の請求が認められない傾向があるとされています。すでに証拠がそろっていたり、争点が「不貞の有無」ではなく「婚姻関係が破綻していたか」に移っていたりする場合も、同様に必要性が否定されやすくなります。

近年の動向(最新判例)

さらに、最近は調査費用の損害性を慎重に判断する流れもあります。報じられているところによれば、東京高裁 令和6年(2024年)1月17日判決では、探偵業者に支払った調査費用について、不貞行為と相当因果関係のある損害とは認められないと判断されたとされています。これは、調査費用を損害と認めた下級審(東京地裁令和5年2月22日判決)の判断を覆したものと解説されています。

この判決をもって「もう一切請求できない」と決まったわけではありませんが、調査費用の請求は事案によって判断が分かれ、近年はより慎重に見られる場面もある、という点は知っておいて損はありません。だからこそ、自分のケースで請求が現実的かは、最新の動向を踏まえて弁護士に確認することが大切になります。

下の表で、認められやすいケースと認められにくいケースを整理します。

スクロールできます
観点認められやすいとされるケース認められにくいとされるケース
相手の態度不貞を否定しているすでに不貞を認めている
調査の必要性探偵に頼まなければ立証が困難だった自力や既存の証拠で立証できた
裁判の争点不貞行為の有無そのものが争点婚姻破綻の有無など別の点が争点
費用額調査内容に見合う相当な範囲内容に比して過大とみられる

実際にいくら戻る?認められる金額の目安と慰謝料との関係

調査費用・サポート費用・弁護士費用の関係イメージ

請求できる可能性があると分かっても、気になるのは「結局いくら戻るのか」ではないでしょうか。ここは期待しすぎないために、正直にお伝えします。

裁判で実際に認められる調査費用の額は、おおむね10万〜30万円程度にとどまることが多いとされています。支払った費用の全額が認められるとは限らず、裁判所が「相当な範囲」と判断した額に限られるのが一般的です。慰謝料額の1割程度の範囲で認められる例もあるとされています。

つまり、たとえば50万円や100万円の調査費用を支払ったとしても、その全額が戻ってくると考えるのは現実的ではありません。前述の東京地裁平成28年の例のように全額が認められたケースもありますが、それはむしろ例外的で、多くの場合は「一部が認められればよい方」という心づもりでいる方が、後の落胆を避けられます。

調査費用の請求は、不貞慰謝料の請求と一緒に行われることが多く、慰謝料の一部に上乗せして扱われるイメージで考えると整理しやすくなります。慰謝料そのものの相場は、離婚に至る場合でおおむね100万〜300万円程度、離婚しない場合で50万〜100万円程度が目安とされています。

調査費用そのものは大きな金額にはなりにくいものの、「証拠をしっかり押さえることで、慰謝料の請求そのものを有利に進めやすくなる」という意味では、調査の価値は金額の戻り分だけにとどまりません。費用が全額戻るかどうかだけで判断せず、「請求全体をどう組み立てるか」という視点を持つことが大切です。

誰に・何を根拠に請求するのか(配偶者・不倫相手)

「相手に請求する」といっても、相手とは配偶者なのか、不倫相手なのか、迷われる方も多いと思います。

調査費用や慰謝料の請求は、不法行為に基づく損害賠償(民法709条)という枠組みで行われ、不貞をした配偶者と不倫相手のいずれにも請求しうるとされています。どちらに、どこまで請求するのが現実的かは、関係修復を望むのか離婚を考えているのか、相手方の資力など、個別の事情によって変わってきます。

整理すると、請求しうる主な費目は次のように考えられます。

  • 慰謝料:不貞行為による精神的損害に対するもの(相場は前述のとおり)
  • 調査費用の一部:調査の必要性・相当性が認められる場合
  • 弁護士費用の一部:損害賠償が認められる場合に、認容額(慰謝料額)の1割程度の範囲で損害として認められることが多いとされています

どの相手に、どの費目を、いくら請求するかという「請求の設計」は、まさに弁護士の専門領域です。誰にどう請求するのが自分にとって最善かは、証拠の内容を見たうえで弁護士と相談しながら決めていくのが安心です。

請求に必要な証拠と手続きの流れ

請求を考えるうえで土台になるのが「証拠」です。そして、その証拠の質を左右するのが、誰がどのように調査・記録したかです。

日本で探偵業を営むには、「探偵業の業務の適正化に関する法律」(探偵業法)に基づく公安委員会への届出が必要です。探偵業法に基づき届出をした事業者が、適正な手段で作成した調査報告書は、裁判で信用性の高い証拠として扱われることが多いとされています(出典:警視庁「探偵業の業務の適正化に関する法律の概要」/弁護士監修メディア)。逆に、違法な手段で取得された情報は、証拠として評価されなかったり、かえって不利に働いたりする場合があります。だからこそ、前述したような自力での無断調査はおすすめできません。

請求に向けた一般的な流れは、おおよそ次のように整理できます。ただし、実際の進め方は事案によって変わるため、あくまで全体像としてご覧ください。

  1. 証拠の確保:探偵業法に基づく事業者による調査報告書など、不貞を裏づける証拠をそろえる
  2. 相手の特定:不倫相手の氏名・連絡先など、請求先の情報を確認する
  3. 請求(交渉・通知):内容証明郵便などで慰謝料・費用を請求し、話し合い(示談交渉)を行う
  4. 協議がまとまらない場合:調停や訴訟といった法的手続きへ進む

この流れのなかで、調査側(探偵)が担えるのは主に「1.証拠の確保」の部分であり、「3.以降の法的な請求・交渉」は弁護士の領域です。証拠を取って終わりにせず、その証拠を請求にどう活かすかまで見据えて、弁護士と連携できる体制を整えておくことが、結果的に遠回りを避けることにつながります。

損をしないために|相談の進め方(弁護士連携を前提に)

ここまで読んで、「自分のケースは請求が認められそうだろうか」「全額は無理でも一部は取り戻せるだろうか」と、判断の軸が少しずつ見えてきたのではないでしょうか。

調査費用を取り戻せるかどうかは、最終的には証拠の内容と事情次第であり、裁判所や弁護士の判断によります。だからこそ、後悔しないためのいちばんの近道は、動き出す前に、あるいは早い段階で状況を整理することです。

特に「これから調査を依頼するか迷っている」段階であれば、相談の場で次の点を確認しておくと、費用の見込みと請求の現実味の両方が見えてきます。

  • 自分のケースで「調査の必要性」が認められそうか(相手が認めているか、自力立証が難しいか)
  • どんな証拠がそろえば、請求や慰謝料交渉で活用しやすいか
  • 調査にかかる概算費用と、そのうち請求で戻る可能性のある範囲のイメージ
  • 必要に応じて弁護士と連携できるか

請求の可否や金額の最終的な判断は弁護士の領域ですが、その前段にある「どんな証拠を、どう適正に確保するか」は、調査の実務に関わる部分です。ここを丁寧に押さえておくことが、後の請求の土台になります。

「費用は戻るのか」「自分のケースで意味があるのか」と一人で抱え込み続けると、不安と理不尽さばかりが大きくなりがちです。まずは状況を言葉にして、専門家と一緒に整理するところから始めてみてください。それだけでも、次の一歩がぐっと選びやすくなります。

ラビット探偵社でも、調査内容や証拠化に関する無料相談を承っています。「自分のケースで調査費用の請求は現実的か」「どんな証拠を残しておくべきか」といった段階のご相談でも構いません。慰謝料・損害賠償など法的な判断については、必要に応じて弁護士と連携しながら、状況を一緒に整理するところからお手伝いします。

よくある質問(FAQ)

浮気調査費用は全額請求できますか?

全額が認められるとは限りません。実際に認められる額は10万〜30万円程度にとどまることが多いとされ、裁判所が「相当な範囲」と判断した額に限られるのが一般的です。全額が認められた裁判例もありますが、むしろ例外的と考えておくのが安全です。

相手がすでに不倫を認めている場合でも請求できますか?

すでに相手が不貞を認めているのに、問いただすことなく調査を依頼した場合などは、「立証のために調査が必要だったとはいえない」として認められない傾向があるとされています。請求の可否はケースによるため、ご自身の状況での見通しは弁護士にご確認ください。

配偶者と不倫相手、どちらに請求するのですか?

慰謝料や調査費用は、不法行為に基づく損害賠償(民法709条)として、不貞をした配偶者と不倫相手のいずれにも請求しうるとされています。どちらに、どこまで請求するのが現実的かは、離婚を考えているか、相手方の資力などの事情により変わるため、弁護士と相談して決めるのが安心です。

調査費用とは別に慰謝料も請求できますか?

調査費用の請求は、不貞慰謝料の請求とあわせて行われるのが一般的です。慰謝料の相場は、離婚する場合でおおむね100万〜300万円程度、離婚しない場合で50万〜100万円程度が目安とされています。実際の金額は婚姻期間や子の有無などの事情で変動します。

弁護士に頼むと費用倒れになりませんか?

弁護士費用については、損害賠償が認められる場合に、認容額(慰謝料額)の1割程度の範囲で損害として相手に請求できることが多いとされています。とはいえ、費用倒れになるかどうかは請求できる見込み額と事情によります。多くの法律事務所では初回相談を設けているため、見通しと費用感を相談したうえで判断するのがよいでしょう。

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