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養育費の平均はいくら?2026年改正民法で変わる相場と「もらえる側」になるための条件

養育費の平均はいくら?2026年改正民法で変わる相場と「もらえる側」になるための条件

公開日:

本記事の監修者
黒岩弘敦
  • 氏名:黒岩 弘敦
  • 経歴:元警察本部 刑事部在籍
  • 紹介文:元神奈川県警警察本部刑事部管理課に従事。その経験を活かし職員のコンプライアンスの向上、個人情報の秘匿に対する秘匿の堅持、法令に抵触しない技法等の社内教育を実施。
詳しくはこちら

朝、お子さまの修学旅行の積立通知や、給食費の引き落とし明細を眺めながら、「世間並みの養育費って、いくらなんだろう」とスマートフォンを手に取られた。

そんな方は、本記事を読まれている方の中にも、きっと少なくないはずです。

別居や離婚協議の入口で、お相手から「養育費は世間並みでいいだろ」と曖昧に言われたまま、具体的な金額には触れられない。一方で、お子さまの教育費・生活費・将来の進学費用は、毎月確実に積み上がっていく。「相場を知らないまま話し合いに入って、損をする側になりたくない」というお気持ちは、当社に養育費関連のご相談をいただく方々にも共通する、ごく自然な感覚です。

本記事は、ラビット探偵社コンテンツ編集部が、こども家庭庁・最高裁判所・法務省の公式資料をもとに、養育費の「相場の実像」を整理してお伝えするものです。同時に、当社が累計30万件を超える相談のなかで何度も目にしてきた、「相場の数字だけを知って取り決めに入ったために、後で後悔される方が多い」という現場の実感も、率直にお伝えします。

この記事を読み終えていただく頃には、

  • 養育費の全国平均はどのくらいで、その数字がどんな前提のうえに成り立っているか
  • ご自身の年収・お子さまの人数だと、算定表上の目安はどの金額帯になるか
  • 2026年4月施行の改正民法によって、養育費の確保ルールがどう変わるか
  • 「平均額」を知っただけでは見えない、取り決め前に整えておきたい3つの情報

の4点が、整理された状態でご理解いただけるようにまとめました。

\全国365日24時間電話相談受付中/無料カウンセリング
  1. 結論|最初に知っておいてほしい3つのこと
    1. 結論①:「母子世帯の平均月額 約5万円」は『もらえている人』の平均
    2. 結論②:母子世帯のうち、養育費を「現在も受給している」のは28.1%
    3. 結論③:2026年4月施行の改正民法で養育費の確保ルールが大きく変わった
  2. 養育費の「平均額」を政府統計から正確に読む
    1. 母子世帯・父子世帯の平均月額(子ども人数別)
    2. 平均額は「全母子世帯のもらえる金額」ではない
    3. 養育費の金額分布(実際の取り決め額)
  3. 養育費算定表で「あなたの場合」の金額帯を確認する
    1. 養育費算定表とは
    2. 年収別の目安(子ども1人・子ども2人のケース)
      1. 子ども1人のケース(0〜14歳)
      2. 子ども2人のケース(どちらも0〜14歳)
    3. 算定表の前提となる「年収」を、どう把握するか
  4. 養育費を受け取れていない約7割の世帯とその背景
    1. 養育費の取り決め率と受給率の構造
    2. 取り決めをしていない最大の理由は「相手と関わりたくない」
    3. 母子世帯の家計に養育費がもたらす意味
  5. 養育費の確保はどう変わったか?2026年4月施行の改正民法について
    1. 改正点①:法定養育費の新設(民法第766条の3)
    2. 改正点②:養育費債権への一般先取特権の付与
    3. 改正点③:強制執行手続の簡素化
    4. 差押えには「相手の情報」が必要?改正後も残る課題
  6. 不貞行為(不倫・浮気)と養育費|慰謝料との関係
    1. 不貞があっても養育費は減額・増額されない
    2. 慰謝料は養育費とは別個に請求できる
  7. 取り決め前に整えておきたい「3つの情報」
    1. 情報①:お相手の「本当の年収」
    2. 情報②:お相手の「現在の所在と勤務先」
    3. 情報③:不貞行為があった場合、その事実関係の整理
  8. ラビット探偵社が養育費の場面でお手伝いできること
    1. 当社のスタンス「事実整理と証拠化を支える実務家」として
    2. 警察OBの調査ノウハウと、提携弁護士監修の報告書
    3. リアルタイム報告で「待つ不安」を減らす
    4. 弁護士連携によるアフターフォロー
  9. 「養育費の平均」を調べた後の選択肢を比較
  10. よくあるご質問(FAQ)
    1. Q1. 「養育費の平均は月5万円」と聞きました。私もこの金額がもらえると考えていいですか?
    2. Q2. お相手の本当の年収が分かりません。自己申告の額で算定表に当てはめるしかないのでしょうか?
    3. Q3. 2026年4月の改正民法で、養育費を取り決めなくても請求できるようになると聞きました。本当ですか?
    4. Q4. 公正証書を作っても、相手が転職や引っ越しを繰り返したら差押えできなくなりますか?
    5. Q5. 別居中の夫の不貞を疑っています。養育費と慰謝料は、両方請求できますか?
    6. Q6. 「相手と関わりたくない」のですが、それでも養育費の取り決めはしておくべきですか?
  11. お子さまの未来を・情報の主導権を取り戻すところから
  12. この記事を書いた人
    1. ラビット探偵社 コンテンツ編集部(警察OB監修チーム協力)
  13. 参考情報一覧
    1. 一次情報源(公的機関)
    2. 専門メディア

結論|最初に知っておいてほしい3つのこと

詳しい解説に入る前に、養育費の「平均」を調べているあなたに最初に届けたい結論を、3つに絞ってお伝えします。

結論①:「母子世帯の平均月額 約5万円」は『もらえている人』の平均

「養育費の『平均額』と『受給率』のギャップを示す対比図。左側に養育費を受け取っている母子世帯の平均月額50,485円、右側に母子世帯全体の受給状況の円グラフ(現在も受給している28.1%、過去に受けたことがある14.2%、受けたことがない56.9%)を配置。**『平均月額』と『受給率』という2つのエンティティが、『平均額の数字は受給者のみの母集団から算出されている』という前提関係で結ばれていることを視覚化。**こども家庭庁・令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告に基づく。」

こども家庭庁が令和4年12月に公表した「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告」(厚生労働省子ども家庭局時代の調査)によると、令和3年度の調査では、養育費を受け取っている母子世帯の平均月額は約5万485円となっています。ただし、これは『現在も受給している世帯』に限った数値である点に留意が必要です。

出典:こども家庭庁「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告」(2022年12月公表・政府統計)

結論②:母子世帯のうち、養育費を「現在も受給している」のは28.1%

「養育費の取り決めの有無による受給率の差を示す比較棒グラフ。母子世帯全体の受給率28.1%(上段)に対し、養育費の取り決めをしている母子世帯の受給率は57.7%(下段)と約2倍。**『養育費の取り決め(文書化)』と『受給の継続性』という2つのエンティティが、『取り決めという行動が受給確率を倍増させる』という因果関係で結ばれていることを視覚化。**こども家庭庁・令和6年3月26日資料に基づく。」

同じ調査で、母子世帯のうち、養育費を「現在も受給している」のは28.1%にとどまります。約7割の母子世帯では、養育費を受け取れていない、または途中で途絶えている状況です。「平均額」を見る前に、まず「自分が受給できる側に入る取り決めを、どう作るか」を考えることが、優先順位の高い論点となります。

結論③:2026年4月施行の改正民法で養育費の確保ルールが大きく変わった

「2026年4月1日施行の改正民法における養育費の3つの変更点を示す3カラムインフォグラフィック。①法定養育費(民法第766条の3、取り決めなしでも子ども1人月2万円請求可)、②一般先取特権(民法第306条・第308条の2、文書取り決めだけで差押え申立て可能)、③強制執行の簡素化(民事執行法167条の17、財産開示〜差押えが1回で完結)。**『改正民法による養育費確保の強化』と『差押え実効化に必要な相手情報の特定』という2つのエンティティが、『法的環境は整っても、相手の所在・勤務先・財産情報がなければ機能しない』という前提関係で結ばれていることを視覚化。**法務省『民法等の一部を改正する法律』〔令和8年4月1日施行〕に基づく。」

2026年4月1日施行の改正民法により、養育費債権に「一般先取特権」が付与されました。父母間で養育費の金額や支払時期などを文書で取り決めていれば、調停や審判を経ずに、裁判所への差押えの申立てができるようになります。さらに、改正民法では、離婚時に養育費の取り決めをしていなかった場合でも、法律の規定に基づき子ども1人あたり月額2万円(法定養育費)を請求できる制度が新設されました。

出典:法務省「民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について」〔令和8年4月1日施行〕

ただし、これらの新制度を活用するにも、また算定表に基づく適正額で取り決めるにも、共通して必要となるのが「相手の本当の収入と所在を知っていること」です。本記事の後半では、ここに踏み込んでいきます。

養育費の「平均額」を政府統計から正確に読む

母子世帯・父子世帯の平均月額(子ども人数別)

こども家庭庁「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、養育費を「現在も受給している」または「過去に受けたことがある」世帯の1世帯あたり平均月額は、次のとおりです。

家族形態 全体平均 子ども1人 子ども2人 子ども3人
母子世帯 50,485円 40,468円 57,954円 87,300円
父子世帯 26,992円 22,857円 28,777円 37,161円

出典:こども家庭庁「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告」

母子世帯の平均は約5万円、父子世帯は約2万7千円と、約2万3千円の差があります。この差の背景には、日本における男性と女性の所得差が反映されていると考えられます。

平均額は「全母子世帯のもらえる金額」ではない

ここから先は、当社の現場感覚も交えてお伝えします。

「養育費の平均は月5万円」という数字を見たとき、多くの方は「私もこのくらいはもらえるんだな」と受け取られます。しかしこの数字は、いま現在、養育費を受け取れている世帯のなかでの平均値です。受け取れていない世帯は、この計算に入っていません。

空間母子世帯のうち、養育費を「現在も受給している」のは28.1%にとどまります。約7割の母子世帯では、養育費を受け取れていない、または途中で途絶えている状況です。

つまり、「平均5万円」を目指して取り決めに入る前に、まず「受給を続けられる側の3割」に入るための条件を整えることが、より優先順位の高い論点となります。

養育費の金額分布(実際の取り決め額)

裁判所が公表する令和5年司法統計年報(家事編)第25表によると、家庭裁判所での「離婚」の調停成立または調停に代わる審判事件のうち、母を監護者と定めた未成年の子有りの件数では、養育費の金額帯は次のように分布しています(アディーレ法律事務所による集計値を引用)。

金額帯 割合
2万円超〜4万円以下 約31%(最多)
4万円超〜6万円以下 約26%
6万円超〜8万円以下 約13%

出典:裁判所「令和5年 司法統計年報(家事編)第25表」(アディーレ法律事務所による集計)

このデータからは、家庭裁判所で取り決められる養育費の中心は「2万円超〜8万円以下」の幅にあることが読み取れます。

養育費算定表で「あなたの場合」の金額帯を確認する

「平均額」より個別事情に近い金額を知りたい場合に参照されるのが、最高裁判所の司法研究に基づく養育費算定表です。

養育費算定表とは

家庭裁判所が公表する養育費算定表(平成30年度司法研究/令和元年版)は、両親の年収・子どもの人数・年齢に応じた標準的な養育費を簡易迅速に算定するためのもので、実務でも広く利用されています。

出典:裁判所「平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について」(令和元年12月公表)

縦軸に養育費を支払う側(義務者)の年収、横軸に受け取る側(権利者)の年収を当てはめ、交差したマスが標準的な月額の目安となります。子どもの人数(1〜3人)と年齢(0〜14歳/15歳以上)ごとに表が分かれています。

年収別の目安(子ども1人・子ども2人のケース)

子どもが0〜14歳・受け取る側の年収が0円の場合を想定した、支払う側の年収別の養育費の目安は次のとおりです(給与所得者の場合)。

子ども1人のケース(0〜14歳)

支払う側の年収(給与所得) 養育費の目安(月額)
300万円 4〜6万円
400万円 4〜6万円
500万円 6〜8万円
600万円 6〜8万円
700万円 8〜10万円
800万円 10〜12万円

子ども2人のケース(どちらも0〜14歳)

支払う側の年収(給与所得) 養育費の目安(月額)
300万円 4〜6万円
400万円 6〜8万円
500万円 8〜10万円
600万円 10〜12万円
700万円 12〜14万円
800万円 14〜16万円

出典:アディーレ法律事務所「養育費の相場はいくら?【年収別早見表】」(裁判所『平成30年度司法研究』に基づく作成)

なお、これはあくまで標準的なケースの目安であり、個別事情により変動します。お子さまに私立学校の学費、塾代、医療費などの特別な費用がかかる場合は、算定表よりも高い金額が認められる可能性があります。

算定表の前提となる「年収」を、どう把握するか

ここに、ご自身で算定表を眺めたときに気づきにくい、重要な落とし穴があります。算定表の縦軸「支払う側の年収」に当てはめるべきは、お相手の真の年収です。

しかし、別居中・離婚協議中のお相手から、源泉徴収票や確定申告書を素直に開示してもらえるケースは、当社の現場感覚としては多くありません。お相手が会社員でも、副業収入・株式運用・賞与の変動が反映されていないケースもあります。自営業の場合は、申告所得と実態の乖離がさらに大きくなる傾向があります。

「算定表に当てはめるべき年収を、過小に見積もったまま協議に入ると、平均すら下回る合意になる場合があります」

これは、当社の養育費関連の相談現場で何度もお聞きしてきた後悔の声です。

この論点については、後半の「取り決め前に整えておきたい3つの情報」で改めて触れます。

養育費を受け取れていない約7割の世帯とその背景

養育費の取り決め率と受給率の構造

こども家庭庁「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、養育費に関する数字は次のような構造になっています。

指標 母子世帯 父子世帯
「取り決めをしている」割合 46.7% 28.3%
取り決めをしている世帯のうち「現在も受給している」 57.7%※ (父子世帯も増加傾向)
全体での「現在も受給している」 28.1% 8.7%

※取り決め済み世帯の受給率57.7%は、こども家庭庁「ひとり親家庭等に関する施策・制度について」(令和6年3月)資料による。

出典:こども家庭庁「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告」

出典:こども家庭庁「ひとり親家庭等に関する施策・制度について」(令和6年3月26日)

養育費の取り決めをしている母子世帯では、「現在も受給している」割合は57.7%となっています。取り決めの有無で、受給確率は約2倍違うことが分かります。

逆に言えば、取り決めをしている世帯であっても、約4割は途中で受給が途絶えています。「取り決めを書面で残せば終わり」ではなく、取り決め後の不払いに備えた情報を持っておくことが、子どもの長期的な経済基盤を守るうえで重要だと考えられます。

取り決めをしていない最大の理由は「相手と関わりたくない」

同じ調査によると、養育費を取り決めていない最大の理由は、母子世帯では「相手と関わりたくない」が34.5%で最も多くなっています。次いで「相手に支払う意思がないと思った」15.3%、「相手に支払う能力がないと思った」14.7%と続きます。

この34.5%という数字を、私たちは『単なる統計』としては受け止めていません。当社の相談現場で、『相手と関わりたくない』という言葉の背後には、不貞行為、モラハラ、長年積み重なった信頼の喪失など簡単に言葉にできない、たくさんの経緯があります。その気持ちを脇に置いて『でも取り決めはしておきましょう』とだけ言うのは、私たちの仕事ではありません。

ただ、その感情のまま取り決めをせずに離婚に至ると、改正民法施行後でも法定養育費(子ども1人月2万円)にとどまり、算定表上の目安(年収600万円・子ども2人なら月10〜12万円)と大きく開きが出ます。

だからこそ当社では、お相手と顔を合わせず、必要な情報だけを整える調査の在り方にこだわってきました。「相手と関わりたくない」という気持ちのまま、取り決めに必要な情報だけを、相手と接触せずに整える方法、当社が養育費領域で果たしている役割の一つです。

母子世帯の家計に養育費がもたらす意味

養育費月数万円の差は、家計全体から見るとどのくらいのインパクトがあるのでしょうか。

こども家庭庁「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、母子世帯の世帯平均年間収入は373万円となっており、児童のいる世帯の平均所得を100とした場合、45.9にとどまります。

出典:こども家庭庁「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告」

養育費が月3万円異なれば、単純積算で年36万円、お子さまが大学卒業までの18年間で約650万円の差となります。月6万円異なれば、18年間で約1,300万円の差です(編集部による単純積算/物価変動や利息は考慮していません)。算定表上の妥当額と、相手が自己申告した年収ベースの金額のあいだに、これだけの開きが生じうるという認識は、取り決め前にぜひ持っておきたい視点です。

養育費の確保はどう変わったか?2026年4月施行の改正民法について

法務省「民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について」によれば、養育費の確保に関係する主な改正点は次の3つです。

改正点①:法定養育費の新設(民法第766条の3)

改正民法では、離婚時に養育費の取り決めをしていなかった場合でも、法律の規定に基づき子ども1人あたり月額2万円(法定養育費)を請求できる制度が新設されました。

ただし、対象となるのは2026年4月1日以降に離婚したケースに限られます。また、支払う側に支払能力がないことを証明された場合は、支払いを拒否できる例外も認められています。

改正点②:養育費債権への一般先取特権の付与

2026年4月1日施行の改正民法により、養育費債権に「一般先取特権」が付与されました。父母間で養育費の金額や支払時期などを文書で取り決めていれば、調停や審判を経ずに、裁判所への差押えの申立てができるようになります。

これまでは、強制執行(差押え)を申し立てるには、公正証書・調停調書・確定判決などの「債務名義」が必要でした。改正後は、法務省令で定める範囲内(子ども1人あたり月額8万円程度まで)であれば、父母間の文書取り決めだけで差押えの申立てが可能となります。

改正点③:強制執行手続の簡素化

1回の申立てで、財産の開示から差押えまでの一連の手続を同時に申請できるようになります。家庭裁判所が、当事者に対し収入情報の開示を命じることも可能になりました。

出典:法務省「民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について」〔令和8年4月1日施行〕

差押えには「相手の情報」が必要?改正後も残る課題

改正民法は、養育費の不払いに対する強力な後ろ盾となります。しかし、改正後も変わらない構造的な課題があります。

強制執行(差押え)を申し立てるには、相手の住所や勤務先、財産の情報が必要となる、ということです。情報が不足している場合は、家庭裁判所の手続きや専門家への調査依頼で補完するのが一般的です。

出典:弁護士法人ALG&Associates「養育費の強制執行で離婚問題にお困りの方は弁護士へご相談ください」

加えて、給与を差し押さえている間に相手が転職した場合、以前の差押えの効力は退職時点で終了し、自動的に転職先に引き継がれません。転職先の名称・所在地を改めて特定し、再度の強制執行の申立てが必要となるとされています。

つまり、改正民法によって「文書取り決めだけで差押えできる」入口は広がったものの、「相手の所在・勤務先・財産を把握している」という前提条件は変わっていません。ここに、養育費の確保のために、調査会社が果たせる役割があります。

不貞行為(不倫・浮気)と養育費|慰謝料との関係

養育費の相談に来られる方の中には、「お相手の不貞が原因で別居・離婚協議に至った」という方も少なくありません。当社が累計30万件を超えるご相談のなかでも、こうした背景を持つご相談は一定数を占めます。

この場合に整理しておきたい論点は、次の2つです。

不貞があっても養育費は減額・増額されない

不貞行為が離婚原因であった場合でも、養育費は通常どおり算定表に基づいて計算され、不貞を理由とした増減はないとされています。これは養育費が子の扶養義務に基づくものであり、夫婦間のトラブルとは別問題とされるためです。

出典:アディーレ法律事務所「養育費の相場はいくら?【年収別早見表】」

養育費の支払義務は「生活保持義務」とされ、自分の生活水準を下げてでも子に同程度の生活を保証する強い義務とされています(民法第877条第1項)。

出典:法務省「養育費」

慰謝料は養育費とは別個に請求できる

一方で、不貞行為に対する慰謝料は、養育費とは別個の損害賠償請求として、配偶者および不貞相手に請求できる場合があります。ただし、両者への請求合計が二重取りとならない範囲で配分されるのが一般的です。

出典:ベリーベスト法律事務所「離婚理由が配偶者の不倫・浮気の場合、養育費はどちらが払う?」

ここで重要なのは、慰謝料を請求するにも、養育費の取り決めを有利に進めるにも、「不貞があったという事実が、第三者にも説明できる形で整理されているか」が大きく影響するという点です。

口頭での「夫が浮気しているはず」という主張だけでは、交渉や訴訟の場面で活用しにくいことがあります。一方、ホテルへの出入りの記録、継続的な接触の記録など、事実関係として整理された資料があると、慰謝料請求・養育費協議の双方で、専門家への相談材料として活用しやすくなります。

取り決め前に整えておきたい「3つの情報」

ここまでお読みいただいた方には、養育費の「平均額」を知ることが、出発点にすぎないことがお伝えできたのではないかと思います。

当社が現場で見てきた、養育費を確実に受給し続けている方々に共通しているのは、取り決めの前に、次の3つの情報を整えているという点です。

情報①:お相手の「本当の年収」

算定表に当てはめる年収を、自己申告ベースではなく、副業・賞与・実態を含めた水準で把握する。これにより、算定表上の妥当額(年収600万円・子ども2人で月10〜12万円帯)を、根拠を持って交渉できるようになります。

情報②:お相手の「現在の所在と勤務先」

改正民法によって差押えの入口は広がりましたが、差押え対象(給与・預貯金・不動産)の特定には、相手の現住所と勤務先が必要です。離婚協議の段階で、現在の所在と勤務先を客観的に確認しておくことが、後の不払いリスクへの最大の備えとなります。

情報③:不貞行為があった場合、その事実関係の整理

不貞行為は、養育費の金額自体には影響しませんが、慰謝料請求の根拠となり得ます。事実関係が整理されているかどうかで、慰謝料と養育費の両方を見据えた交渉戦略の選択肢が広がります。

これら3つの情報を、お相手と接触せずに整える手段として、当社のような探偵業法に基づく届出を行った調査会社が選択肢の一つとなります。

養育費を支払わない相手の所在調査は、民法上の不法行為に対する正当な調査理由として、探偵業法に基づく届出を行った探偵業者の業務範囲に該当するとされています。

出典:警察庁「探偵業について」(探偵業の業務の適正化に関する法律第2条)

ラビット探偵社が養育費の場面でお手伝いできること

当社のスタンス「事実整理と証拠化を支える実務家」として

ラビット探偵社は2011年に設立され、設立から現在までの累計相談件数は30万件を超えています(2011年〜累計/浮気調査を含む全相談件数)。浮気調査については、年間16,000件以上のご相談を承っています(直近年実績)。

養育費の取り決めや不払い対策にあたって、当社が担うのは「事実関係の調査と、調査報告書という形での整理」です。法的判断や交渉そのものは弁護士の役割であり、当社では、ご依頼者さまが弁護士にご相談される際の判断材料を整える立場としてサービス提供しています。

警察OBの調査ノウハウと、提携弁護士監修の報告書

ラビット探偵社は警察OBの調査ノウハウを基盤に設立され、調査報告書は提携弁護士の監修のもと作成されています。警察組織で培われた事実関係の精緻な記録手法は、交渉や訴訟の場面で活用しやすい証拠の整理に活かされています。

リアルタイム報告で「待つ不安」を減らす

調査を依頼された方が抱えるご不安の一つに、「いま、どんな状況なのか分からない」というものがあります。

当社では、各業務を細かく分業制にすることにより、調査の進捗を現場からリアルタイムでご報告する体制をとっており、「相手と関わりたくないけれど、状況だけは把握していたい」というお気持ちに寄り添うことを心がけています。

弁護士連携によるアフターフォロー

養育費の取り決めや慰謝料請求は、調査報告書ができてからが本番です。当社では、提携弁護士による初回相談を、調査報告書の活用方法とあわせてご案内しています。事実の整理は調査会社、法的判断と請求の代理は弁護士。

それぞれの専門性を組み合わせることが、納得のいく結論への近道だと、現場で何度も実感してきました。

「養育費の平均」を調べた後の選択肢を比較

養育費の取り決めや不払い対策にあたって、ペルソナがアクセスできる主な選択肢を、機能の観点から整理しました。なお、本表は当社による一般的な機能比較であり、個別の事業者のサービス内容や法令解釈を保証するものではありません。

選択肢 主な役割 養育費の妥当額算定 お相手の真の年収把握 お相手の所在・勤務先把握 不貞の事実関係の整理 法的代理交渉・訴訟
養育費算定表(裁判所公表) 標準的金額の算定 △(自己申告ベース) × × ×
自動計算機(各法律事務所提供) 算定表の入力支援 × × ×
弁護士への相談・依頼 法的助言・代理交渉 △(公的手続経由) △(家裁の情報取得手続) △(依頼者の持参資料に依存)
家庭裁判所(調停・審判) 公的な取り決め・裁定 ○(収入開示命令) ○(第三者からの情報取得手続) × △(家裁手続内)
調査会社(探偵業届出済) 事実関係の調査と報告書化 × ○(行動確認等から間接的に補足) ×(弁護士領域)
調査会社+弁護士の組み合わせ 事実整理と法的代理の連携

※「○」「△」「◎」は機能の重点度を示す当社編集部の整理であり、保証や優劣を示すものではありません。

よくあるご質問(FAQ)

Q1. 「養育費の平均は月5万円」と聞きました。私もこの金額がもらえると考えていいですか?

「養育費を受け取っている母子世帯の平均月額は約5万485円」(こども家庭庁「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告」)は、現在も養育費を受給している世帯のみが分母となっている数値です。母子世帯全体での受給率は28.1%にとどまるため、全母子世帯における「もらえる金額の平均」ではない点に留意が必要です。

ご自身のケースで具体的にいくらが妥当かは、家庭裁判所が公表している養育費算定表に、ご自身とお相手の年収・お子さまの人数と年齢を当てはめてご確認ください。算定表に基づく金額帯は、本記事「2. 養育費算定表」のセクションで早見表をご紹介しています。

Q2. お相手の本当の年収が分かりません。自己申告の額で算定表に当てはめるしかないのでしょうか?

公的な手段としては、家庭裁判所の調停・審判のなかで「収入情報の開示命令」を求めることができます(2026年4月改正民法でも強化されています)。一方、調停を申し立てる前の協議段階で相手の収入実態を把握しておきたい場合は、勤務先や行動の確認などを通じて、事実関係を整理する選択肢があります。

養育費を支払わない相手の所在調査は、民法上の不法行為に対する正当な調査理由として、探偵業法に基づく届出を行った探偵業者の業務範囲に該当するとされています(警察庁「探偵業について」)。具体的な可否は個別事情によりますので、まずはご相談いただければ調査範囲をご一緒に整理します。

Q3. 2026年4月の改正民法で、養育費を取り決めなくても請求できるようになると聞きました。本当ですか?

改正民法では、離婚時に養育費の取り決めをしていなかった場合でも、法律の規定に基づき子ども1人あたり月額2万円(法定養育費)を請求できる制度が新設されました(法務省)。ただし、対象となるのは2026年4月1日以降に離婚したケースのみです。

また、月額2万円は最低限の補充的な金額です。算定表に基づく適正額(年収600万円・子ども2人なら月10〜12万円帯)と比べると大きな差があるため、取り決めを行ったうえで適正額を確保するほうが、お子さまの長期的な経済基盤の観点からは有利となる場合が多いと考えられます。

Q4. 公正証書を作っても、相手が転職や引っ越しを繰り返したら差押えできなくなりますか?

給与を差し押さえている間に相手が転職した場合、以前の差押えの効力は退職時点で終了し、自動的に転職先に引き継がれません。転職先の名称・所在地を改めて特定し、再度の強制執行の申立てが必要となるとされています(弁護士法人ALG&Associates)。

このため、不払いが発生した段階で速やかに転職先・現住所を特定できる体制を整えておくことが、養育費の継続的な受給のための実務的な備えとなります。家庭裁判所の「第三者からの情報取得手続」と、調査会社による所在調査・勤務先調査は、相互に補完する関係にあります。

Q5. 別居中の夫の不貞を疑っています。養育費と慰謝料は、両方請求できますか?

養育費は子の扶養義務に基づくものであり、不貞を理由とした増減はないとされています(アディーレ法律事務所、芝神谷町法律事務所)。一方、不貞行為に対する慰謝料は、養育費とは別個の損害賠償請求として、配偶者および不貞相手に請求できる場合があります。ただし、両者への請求合計が二重取りとならない範囲で配分されるのが一般的です(ベリーベスト法律事務所)。

慰謝料請求にあたっては、不貞行為の事実を第三者にも説明できる形で整理することが、交渉や訴訟で活用しやすい状態をつくる前提となります。事実関係の整理は調査会社の役割、慰謝料の請求代理は弁護士の役割という分担で進めるケースが一般的です。

Q6. 「相手と関わりたくない」のですが、それでも養育費の取り決めはしておくべきですか?

養育費を取り決めていない最大の理由は、母子世帯では「相手と関わりたくない」が34.5%で最も多くなっています(こども家庭庁・令和3年度調査)。この感情は決して軽視できるものではありません。

一方で、養育費の取り決めをしている母子世帯では、「現在も受給している」割合は57.7%となっており、取り決めの有無で受給確率は約2倍違うことが分かります。「相手と関わらずに、取り決めに必要な情報だけを整える」方法として、当社のような調査会社の利用や、弁護士による代理交渉が選択肢となります。まずはお気持ちを伺いながら、ご一緒に整理させてください。

お子さまの未来を・情報の主導権を取り戻すところから

『平均額』を知ることは、出発点としてとても大切です。けれど、その先で、お子さまの未来を本当に守れるかどうかは、『あなたが算定表に当てはめる年収が、お相手の本当の年収かどうか』『不払いが起きたとき、お相手の所在をすぐに特定できるかどうか』にかかっています。当社は、その『本当のところ』を、お相手と関わらずに整えるお手伝いをしてきました。

養育費の「平均額」を知ったあとに、もし次の4つのいずれかに当てはまる状態にあるなら、ぜひ一度、当社の無料相談をご利用ください。

  • 算定表に当てはめるべき、お相手の本当の年収を把握したい方
  • 取り決めを行う前に、お相手の現在の所在や勤務先を客観的に確認しておきたい方
  • 不貞の疑いがあり、養育費と慰謝料の両方を見据えた事実関係の整理を進めたい方
  • 「相手と関わりたくない」気持ちのまま、必要な情報だけを整える方法を相談したい方

当社の初回ご相談は無料です。料金体系・調査内容・提携弁護士との連携の流れまで、整理してご説明します。「依頼するかどうか決まっていない段階」でのご相談も歓迎しております。

この記事を書いた人

ラビット探偵社 コンテンツ編集部(警察OB監修チーム協力)

設立:2011年 実績:累計相談件数30万件以上(2011年〜累計/浮気調査を含む全相談件数)、浮気調査の年間相談実績16,000件以上(直近年実績) 体制:警察OBの調査ノウハウを基盤に設立され、調査報告書は提携弁護士の監修のもと作成されています。全国主要都市に支店を展開し、調査の進捗を現場からリアルタイムでご報告する体制をとっています。

本記事のスタンス 本記事は、ラビット探偵社コンテンツ編集部が、こども家庭庁・最高裁判所・法務省などの公式資料と、当社の現場知見をもとに執筆しました。記事中の法的解釈に関する記述については、当社提携弁護士による校閲を経た範囲で記載しています。

本記事は、養育費の相場と関連制度に関する一般的な情報整理を目的とするものであり、個別事案に対する法的助言の提供を目的としていません。具体的な養育費の金額交渉・慰謝料請求・離婚協議にあたっては、弁護士への直接のご相談をおすすめします。当社では、提携弁護士による初回相談を、調査報告書の活用方法とあわせてご案内しています。

役割分担

  • 執筆:ラビット探偵社 コンテンツ編集部
  • 監修(事実関係・調査手法):警察OB監修チーム
  • 協力(法的解釈の校閲):当社提携弁護士

参考情報一覧

一次情報源(公的機関)

  1. こども家庭庁「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告」(2022年12月公表)
  2. こども家庭庁「ひとり親家庭等に関する施策・制度について」(令和6年3月26日)
  3. 裁判所「平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について」(令和元年12月公表)
  4. 法務省「民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について」〔令和8年4月1日施行〕
  5. 法務省「養育費」
  6. 警察庁「探偵業について」(探偵業の業務の適正化に関する法律第2条)

専門メディア

  1. アディーレ法律事務所「養育費の相場はいくら?【年収別早見表】」(令和5年司法統計年報の集計を含む)
  2. 弁護士法人ALG&Associates「養育費の強制執行で離婚問題にお困りの方は弁護士へご相談ください」
  3. ベリーベスト法律事務所「離婚理由が配偶者の不倫・浮気の場合、養育費はどちらが払う?」
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